1/22/2017

放送大学のこと

 自分は教育大に通っている時、経済的理由から1年休学したことがある。おまけに婦人科の病気が見つかって、治療法は無いと言われ、一時は絶望的な気持ちになった。アルハムドリッラー、1年経って戻って来ることができて、母校のキャンパスをすごくアカデミックな空間だなあと感じた。卒業して1年働いて、大学院に入ってまたキャンパスに戻ってきた時も、アカデミックだなあと、働いている「現場」とは違うとギャップを感じたのだった。今、障害者支援施設の職員として、生活支援員と歩行訓練士の二足のわらじ状態で、重度・重複・高齢化されていく利用者の方々と、視覚障害のある多様な訓練対象者の方々にいかに対応していくか、日々暗中模索している。
 放送大学を知ったきっかけは教員免許更新講習だった。働きながらでも受講でき、近くの学習センターでテストを受けられる。とても魅力的だった。実際に受講してみて本当に良かったし、学習の方法もよく分かったので、もっと知りたくなって、試しに学部に入ってみることにした。前期の半期だけの科目履修生になり、1科目だけオンライン講義を取った。これまた良かったので、後期も1科目だけ科目履修生として受講した。その講義は1000人も受講生がいたらしいが、担当教官の先生がとてつもなくきめ細やかに対応してくれていたし、オンライン講義の重要部分であるディスカッションも成立していた。アカデミックかつ実践的で、毎回の講義は知らないことばかりだったが分かりやすく、自分の現場にもすぐに生かせる内容だった。来年度は学部の選科履修生になることにした。
 自分にとって、働くことは楽しいが、学ぶことは苦しみを伴う作業だと思う。しかし、私が生まれる前から今に至るまでずっと特別支援学校の教師である父親は、常に学びを絶やしていない。私が同じ道に進んでからは、だいぶ後輩だろうが娘だろうが関係なく、新しく分かってきた疾病や障害の情報などについて「○○のことを知っているか?教えてくれ」と聞いてくる。その姿を見ていると、分からないことがどんどん噴出する現場で、今ある知識だけで知った風な顔をして日々働くなんてとてもできない。そういう、働きながら学ぶという需要に放送大学ほど完璧に応えてくれる大学は日本には他にないと思う。
 それだけでなく、一から放送大学を選択するとしても、かなり質実剛健な大学であると思う。まだ行ったことはないが、本部には立派な図書館や宿泊施設などがあるそうだ。全国各地にある学習センターも、その中で地元には実際に行ってみたのだが予想以上に機能的で、キャンパスライフを楽しみたい人の必要にも不足は無さそうだ。自分も今働いている分野で博士論文にまとめたいことがある。いつか、自分のエネルギーをそちらにもっと割けるようになったら、博士課程に入りたいという願いを持っている。その時はもちろん放送大学でと思っている。

11/09/2012

最近の関心ごと

最近の関心ごとを二つ。

一つは電子書籍(出版)について。
今後、日本でも電子書籍(出版)が広まっていくにつれ、論文を書く、読む、発表する等々、
論文をめぐるさまざまなことも変化していくのではないかと思います。
例えば、ブクログのパブーなどのプラットフォームを利用して論文を自分で電子書籍化し、
ウェブサイトやブログ、facebookやTwitterなどを駆使して、
より多くの人(あるいはより読んでほしい人など)に読んでもらえるようにする。
そういうことは、いま、学会誌などに投稿するのとどれぐらい、
質的、量的意味で違いがあるのだろうか。そういうふうに思うのです。
既存の学会誌等そのものの電子化についても、
特に論文を発表することに対してどういう影響をしていくだろうかと考えます。

もう一つは日本における障害者虐待防止法、ならびに「障害者差別禁止法」案です。
障害者虐待防止法については、職場の会議やつい最近の研修でも取り上げられました。
現場の人間としてはもちろんですが、研究という視点でも注意深くみていきたいと思っています。
これからまたここ(このブログ)等でも発信していこうと思います。

5/08/2012

Islam and disability

Islam and disability : perspectives in islamic theology and jurisprudenceという、
博士論文とそれを元にしたを見つけました。





障害学研究に障害学×日本人ムスリム=? というエッセイを書いてから、
それでも自分の研究の方向性をずっと迷っていたのですが、
この論文の存在を知って、勇気が出ました。
実際、先行研究が見つかったわけでもあります。

日本で宗教というと非科学的、主観的であり、
科学的客観的な「研究」と真逆というふうに見られがちですが、
自分自身はそうではないと考えています。
今までは、そうではないと考えるだけで、
なかなか具現化できなかったのですが、
日本の奥田教授が堂々とクルアーンを論拠に語るところを拝見して、
イスラームに基づく研究ということは可能だと、ますます思うようになりました。
それは、自分の専門である障害児教育においてもです。

去年度は、仕事が忙しく、かつ楽しくなってきて充実していたので、
研究活動のほうは停滞していましたが、
これからまたぼちぼちとやっていこうと思います。

よろしくお願いします

拙文を掲載していただいている本たち。 よろしくお願いします。

こんな活動やってます

4年前から行なっているこちらの活動、WEBサイトを持ったのは1年前です。
最近満を持してドメインを取ったので、こちらでもご紹介します。



そしてままムスびの子育てリレーブログです。

7/21/2011

少し前になりますが

6月20日、
河田尚子編著 イスラーム信仰叢書7 イスラームと女性 が国書刊行会より出版されました。
Ⅰの4章目、「日本で楽しくムスリム子育てをするには」の部分を担当させていただきました。
去年の今頃はこの執筆でがんばっておりました。
大変ありがたいことです。
これからもがんばります。

5/05/2011

学会誌が届きました

昨日、夜勤明けの幸せな気分に浸りつつ昼食を取っていると、
郵便が届きました。
私のエッセイが掲載された学会誌が2冊入っていました。
大学の紀要もカウントすると学会誌に掲載されるのは2度目なのですが、
今回のは学会誌といっても、一般書店から販売されている、見た目は単行本のものです。
30歳になるまでに自分の本を出したいという夢が叶ったと思えた瞬間でした。
自分の、といってももちろん単著ではないですが、
逆に、こんな文献たちと一緒に私の文章が混じってて良いんですかね~?
と思ってしまいました。
去年、必死で書いた方の(こちらは正真正銘の単行本になる予定。共著。)出版が遅れていたので、
今回の分の初校がはじまったときから追い越すかなあ?と思っていましたが、
やはり追い越したようです。

学会誌に掲載されるなんて、ふつうに研究活動をしている人にとっては多分、
なんともないことなのでしょうが、
自分のように現場で働きつつ、細々と書いている身分の人間にとっては、
やはりすごく大きなできごとでした。

ものすごい喜びに包まれるかと思っていましたが、
逆にとても静かな気持ちになりました。
よくある話ですが、ここからがスタートだなと思いました。
今までの学生論文とは違い、
自分が活動してきたことをもとに自分の言葉で書けたと思うので、
本当に責任も伴うと思うし、身が引き締まる思いです。

それにしても、2冊と言う中途半端な冊数・・・
親と指導教官でおしまいになってしまう・・・
まあ送られる人にとっては不要な廃品回収行き物品に違いないのでしょうが、
それだけはけじめとしてやりたかったことなのに・・・
買えってことですか?一応、著者なのに・・・

何にせよ、夢が叶ってうれしかったです。
皆々さまに感謝感謝です。
ありがとうございました。